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五浦大介~僕が本に教えてもらったこと~

「あなたの本棚に+1冊」面白い本、元気になれる本。気ままに紹介していきます。 twitter/@ray_second

「掟上今日子の婚姻届」から考える。まだ見ぬ未来に備えるということ。

掟上今日子の婚姻届」を読んでる最中なのですが、序章の「掟上今日子の講演会」で“まだ見ぬ未来に備える”面白い考え方があったので紹介しようと思います。

 

掟上今日子の婚姻届

掟上今日子の婚姻届

 

病めるときも

健やかなるときも

愛することを

忘れます。

 

今日子さん的未来への備え方ー「掟上今日子の講演会」より

忘却探偵である、今日子さんは一日しか記憶がもたいない。

講演会で本当かどうかはあやふやだが『自分の記憶が17歳でストップしている』と今日子さんは述べています。

17歳でストップしているとなると、8年もの空白期間が存在しているということになるだ。

8年は相当だ。犯罪の高度化、さらには電話であるはずのスマートフォンの進化は目を見張るものがある。自動車は自動運転できるようになり、音楽は楽器を使わずともコンピュータで、ヴォーカルまで演奏可能になった。

他にも枚挙として、8年のブランクの進化をあげることができる。

 

一見して、それらの進歩から置き去りにされるのが、忘却探偵の宿命のように思える。

だが今日子さんは、壇上から溌剌とした笑顔で『置き去りにされません。』と繰り返すのであった。

 

ここからの、今日子さんの考え方が逸脱です。

『浦島太郎さんのみたいに、三百年ものブランクがあれば、私も平気ではいられないでしょうけど、この程度であれば、何も支障はありません。ある意味、面白みもありません。』

『進化はめまぐるしい、ちかちかしますね。今朝読んだ新聞によれば、重力波なんてものまで観測できるようになったとか。

だけれど、やっぱり、ついていけないというほどではありません。なぜならそれらの「未来」は、すべて「過去」にくっきり予想されていたものだからです。』

※小説を丸々書き写していません、かなり端折っています。実際はもっと、こと細かに書かれています。

 

この言葉通り、昔のSF映画でスマートフォンのようなものや、ドローン、自動運転は予想されていたというか、登場していました。

今日子さんは、これを「連続」であり「継続だ」という。過去からの延長線上だからこそ、8年のブランクがあっても対応は可能だと。

 

今日子さんのこの考え方は、未知あるいは未発見のできごとに接した時、あたふたとしてしまう。そんな状況の時に役にたちます。

「あぁ、どこかで前にも、こんなことあったなぁ」と考えることができるからです。

誰もが何かの類例であり、類型である。自分では体験したことない状況でも、以前誰かが同じ道をすでに通り、解決しているかもしれない。

ならば、自分もあたふたせず、解決の糸口を探してみよう。

類例であり、類型だ。連続であり継続だから、どこかに解決のヒントはあるはずだ。

と考えることができます。

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出典・ニコニコ静画

まとめ

今日子さん的未来の備え方は、知見が広いですね。なかなか自分では言われないと、「類例であり類型」には気づけなかったです。

さすが網羅推理の今日子さんです。というか、西尾維新さんってどの分野に置いても、網羅されていてホントにすごい作家さんだなぁと思いました。

 

僕は釣りが趣味ですが、先日リールを砂浜の引き波に盛大に浴びせてしまい、砂がリール内部に入り込み壊してしまいました。あたふた&やけくそになって、そのまま投げたいたら案の定、さらに悪化して完全に壊れました。

そうこれも、「類例であり類型」であるのです。使用するの辞めて、すぐにネットで対処法を調べれば、完全に壊れることはなかったでしょう。

 

こういった日常の些細な(僕にとっては、些細なことではなかったが)場面でもこの考え方は役に立ちます。

 

実は2016年3月発売の「群像」に「30年後の世界ー 作家の想像力」というアンソロジーがあり、未来繋がりとして、こちらも紹介したかったのですが、思いのほかの長くなったしまったので、またの機会にしたいと思います。