五浦大介~僕が本に教えてもらったこと~

「あなたの本棚に+1冊」面白い本、元気になれる本。気ままに紹介していきます。 twitter/@ray_second

「君の膵臓をたべたい」 住野よる レビュー

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

 

 人を認められる人間に

人に認められる人間に

人を愛せる人間に

人に愛される人間に

世界を愛し、人を愛し、自分を愛す

―――それが生きるということ。

感想

あらすじを書いていると、なんだか読み終わった今の、感覚が薄れてきそうなので飛ばして書いていきます。

 

この小説話題だったので、遅ればせながら手にとってみたけど、まさかここまで涙する小説だとは思わなかった。読みおった今も鳥肌が止まりません。

 

冒頭では、『あぁしまった。この小説読むのに体力がいる小説だ。。』だと思った。死生観に対する内容でページをめくるのが辛かった。(こういう感情を思わせる、小説いずれも傑作なのだけれど)

けれども、それは冒頭だけだった。余命1年しかない桜良が、人にみせるための愛嬌のある笑顔をもった少女であったこと、地味なクラスメイト君へのイジりがコントのようで面白かった。中盤はこのコントが、何回繰り返されたかわからないほど、繰り返されたので、久しぶりに小説で何回もクスクス笑いました(笑)

 

終盤は、まったく予想もしてなかった展開であっけにとられた。

桜良の退院で、読んでる僕側としてもウキウキしてしまっていたが、奈落の底に打ち落とされた。こんなにも残酷で耐えがたく、怒りが込み上げてくる最期になってしまうなんて。。

 

クラスで目立たない彼と、クラスの輪の中心にいる彼女は、偶然でもなく、必然でもなく、奇跡でもなく、お互いがもつ個人の性質的な魅力に、自然に気づき心をかよわせる選択をしていた。

 

彼らの巡りあわせは、一般的に溢れた言葉ではおさまらない。

「爪の垢を煎じてのみたい」この言葉では表せきれない、

「君の膵臓をたべたい」これは相手の命・魂・意思を食らう言葉だ。

クラスで目立たない彼と、クラスの輪の中心にいる余命一年の彼女が、純粋で潔白に絡み合うのに的確な言葉だと思いました。

 

『うわははっっ!命とか魂とか、しかも絡みあうって…真面目か!』と桜良の声が聞こえてきそうです(笑)